コンサックさんにはイッキュウくんという息子がいますが、彼は4年前に起きた窒息事故の結果、今は寝たきりの生活に。食べ物が喉につまり心拍停止状態になった彼は、医師が蘇生処置を施したものの、その後は言葉を発する能力を失ってしまいました。さらに重い脳障害のせいで、周りで起きていることをどの程度認識しているのかはっきりしない今、コンサックさんのコスプレは、家族に残された少ない「コミュニケーションツール」となったのです。
コスプレ衣装を続ける理由としては、タイのウドーンターニーお住いのコンサック・ニミットカセンさんは、日常的に家族の前で女性のコスプレ衣装を披露する男性です。しかしこのコスプレ、趣味でしているわけではなく、理由があってのことでした。
「たとえイッキュウが過去のことを覚えていなくても、たとえ家族がどれだけ彼を愛しているか分かっていなくても、毎日彼が懸命に生きてくれて、そして僕が彼の世話を続けられるのなら、それだけでも良いのです」
コスプレ衣装を続ける理由は確かに以上だと思います。